食いしばり症候群

 友達と一緒に旅行に行ったら、夜中に歯ぎしりの音で目が覚めてしまったという経験を持っている人が少なくありません。

歯ぎしりは、睡眠中に起こることが多いため、本人は自覚していないケースが多いです。
しかし、尋常ではない大きな音を立てるので、周囲の人から指摘されて気がつくことがしばしばあります。
この歯ぎしりと呼ばれる症状を放っておくと、体に様々な悪影響があることがわかっているため、早期に歯科クリニックで適切な治療を受けるようにした方がよいと言われています。

しかし、音によって周囲から認識されやすい歯ぎしりの場合はまだ良いですが、音を立てずに歯を食いしばっている人も少なくありません。
特に若年層に多く見られる症状なのですが、音を立てずに歯を食いしばっているために、本人はもちろん、周囲の人もなかなか気がつかず、様々な身体的症状を引き起こしてしまっているケースが多いです。

無意識のうちに歯を強く食いしばってしまうため、歯の表面が磨り減ってしまったり、歯周病を悪化させてしまったり、顎関節症になってしまうことが、しばしばあります。
それだけではなく、歯とは直接関係ない部分にまで悪影響が出てしまうのが、食いしばりの怖い点です。

音を立てる歯ぎしりと、音を立てずに歯を食いしばる症状の両方をひっくるめて、一般的に食いしばり症候群と呼ばれています。
たかが歯ぎしりと軽く考える人が多いですが、別名、口腔内悪習慣という名前で呼ばれるくらい、体に悪い影響がある症状です。
ここ数年、睡眠中だけでなく、覚醒時にも無意識に歯を食いしばる人が増加してきていますので、注意が喚起されています。

ここでは、食いしばり症候群の概要を簡単に説明することにします。
まず、この症状が発生する原因は、何らかの精神的・肉体的ストレスや、顎の筋肉の緊張がアンバランスになっていることだと言われています。

たとえば、治療を怠っている虫歯がある場合、痛くない方の歯ばかり使って物を咀嚼するようになりますが、そのために歯ぎしりや食いしばりが引き起こされるケースが少なくありません。
また、近年は、仕事などで長時間パソコンに向かう人が増加していますが、長時間同じ姿勢を取り続けることは、肉体に大きなストレスを与えます。
その結果、覚醒中であるのにも関わらず、無意識に歯を食いしばる人が増えています。

 この歯の咬む力というのは想像以上に強力ですので、歯を食いしばる癖のある人は、歯が異常に擦り減るなどの症状が出やすくなります。
しかし、それだけではなく、頭痛や肩こり、耳鳴り、睡眠障害、自律神経失調症などが引き起こされるケースも少なくありません。